水研のグリーンカーテン

「グリーンカーテン」とは、「壁面緑化」や「緑のカーテン」とも呼ばれ、建物の壁面などに取付けたネットにツル植物を這わせ、緑の葉っぱで建物を覆うものです。
カーテンのように夏の暑い日差しを遮ることで、部屋を涼しくする効果があります。
また、蓄熱を抑えることで建物の耐久性を向上させることにもつながります。
弊社では独自の水やりシステムやプランターを使用し、施肥や茎の誘引など管理作業を行っています。
使用作物は一年草つる植物、または野菜を利用することで収穫を楽しむことができます。
電力不使用、雨水活用で環境に配慮した緑化を実現しています。
①食べてたのしむ「食育緑化」
弊社がご提案する緑化植物は、収穫物を楽しめるものを含ませ、主に一年草の「野菜」を使用いたします。
緑のカーテンでは「ゴーヤ」「ヘチマ」「キュウリ」等、屋上緑化では「サツマイモ」「トウガン」等を使用してきました。学校や幼稚園、保育園などの食育学習にも使用できます。
②ヒートアイランド現象の緩和
ヒートアイランド現象とは、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。ヒートアイランド現象の緩和対策のひとつに、壁面緑化および屋上緑化が推奨されています。外壁の直射日光を防ぐことで室温低下を促します。

③自動散水装置と雨水利用
限りある水資源を有効活用するため、雨水の利用を推奨しています。雨どいから雨水タンクに貯水した水を利用することが可能です。自動散水装置で水やりの手間を省きます。
グリーンカーテンの効果

窓から入る日差しを遮り、室内に入り込む日射熱を軽減します。
カーテンやブラインドで日差しを遮ったとしても、カーテンやブラインドまたは建物の躯体自体が熱を帯び、その熱(輻射熱[ふくしゃねつ])が室内を暖めてしまいます。 グリーンカーテンは建物の外壁を覆うものなので、建物自体が熱を蓄えるのを抑えることができます。 (※ グリーンカーテン自体は植物でできていますので蓄熱しません。)
教室内のサーモグラフィ比較 ※2024年夏季撮影
非緑化の教室
特に窓枠などが熱されています。


非緑化の教室(カーテン)
カーテン全体が蓄熱しています。


グリーンカーテン緑化の教室
部屋全体の温度が下がっていることがわかります。


グリーンカーテン緑化の教室
地面が50℃近くなっているのに対し、グリーンカーテン周囲の温度は20~30℃まで下がっていることがわかります。

使用する植物

弊社で使用する植物は、夏期に生長する一年生植物です。これらの植物は花を咲かせるだけでなく、実も付けるため収穫作業を楽しむことができます。
また、受粉・結実などの過程は学習にも活用することができます。ツル性の植物であれば使用可能ですが、多年草や木本類をご希望の場合はご相談ください。
植栽時期は通常5月(苗を植栽)~11月頃になります。 生育速度が速いため、真夏を迎える頃には成長した苗が建物を覆ってくれます。秋が終わる頃にはネットを外すので、冬の暖かい日差しを遮ることはありません。環境に配慮し、年間を通して農薬は使用しません。
植物のご紹介
弊社で使用している植物の一例です。
他にも様々なツル植物に挑戦しています。
ヘチマ

グリーンカーテンの主役となる植物です。4階建て校舎を越え屋上まで広がるほどの繁茂力があります。
実は食用、たわし、茎はリースづくり、収穫後の茎からはヘチマ化粧水など楽しめます。
ゴーヤ

ヘチマの次に繁茂力が強い植物です。
適切な管理をするとたくさん実り楽しめます。
キュウリ

一般的なキュウリの他に江戸野菜の半白キュウリなども混植することができます。見た目も珍しいので小学校で人気です。
小玉スイカ

食べる楽しみとして、ヘチマやゴーヤと混植します。
おもちゃカボチャ

ペポカボチャと呼ばれ、食用ではなく飾りなどで使用します。
インゲン

小玉スイカ同様、繁茂力の強い植物と混植して、建物一階部分で楽しむことができます。
ひょうたん

小さなひょうたんがたくさんできます。ただ、ほかのつる植物との混植はできません。
そのほか、
キワーノ、フウセンカズラ、
ヘビウリ、パッションフルーツなど
様々なツル植物を、小学校の子どもたちと実施しました。
設備について

弊社が行うグリーンカーテン事業は、
「3~4階建ての小学校」をメインにど実施しています。
栽培に必要な水・土・電気を大切にしたエコな栽培を心掛けた設備を取り入れています。
水研独自の水やり技術とプランター(小学校の壁面緑化事業で使用)

東京都北区小学校で20年近く実践しています。
雨水タンク、自動給水装置、加工済みプランターを利用した方法になります。
弊社独自の電気を使用しない自動給水装置を使用しているため、手動による水やり作業は不要です。
雨水をタンクに溜めて活用していますが、雨水タンクには水道水も直結させてあるため、真夏など雨が少ない時期には水道水が自動で供給する仕組みになっています。
- 水は、水道水または雨水を貯めて利用することが可能です。
- 設定した最低水位になると自動給水される仕組みです。必要な分だけ給水します。
- 上面から給水された水はプランターの底面部に溜まり、効率よく栽培に利用されます。
(通常の水遣りの場合、大部分が流れ出てしまいます) - 一定の位置にオーバーフローがあるので溢れだす心配はありません
- 底面部の水は通気層により常に空気に接しているので、根腐れしません。
- 水位変化により調水するシステムのため、電気も電池は使いません。
- 花壇や菜園としても利用ができます。(※2)
※1 形状、サイズ、材質はカスタマイズできます。ご相談下さい。
※2 例えば、サツマイモを植えて、屋上サツマイモ緑化に利用できます。


プランターの仕組み

誘引ツタネット

グリーンカーテンで使用するツタネットは、ツル植物が絡みやすく、丈夫なものが好ましいです。
グリーンカーテンは成長するたびに葉や茎以外に実などの重量が増していくため、耐久性に優れたツタネットや支持ロープを使用する必要があります。
落下の危険を防ぐため、安心安全な設備を使用しております。
- ツタネットはツル植物専用のもので、材質は強力糸ポリエチレンを使用しています。
- 目合 10cm×10cm。
- 色は落ち着いたブラウン色。
- 屋上にネットフェンス等の構造物がある場合は、躯体に支持ロープを結束して一階までツタネットを渡し、植物が蔓を絡ませて登っていけるように強く張ります。
- 構造物がない場合は壁面にアンカーを打ち込み支持ロープを渡しすことで、下記のようにツタネットを張ることが出来ます。
- 屋上にアンカーなどを打ち込めない場合は取付金具などで代用が可能です。
- ツタネットの設置後、避難用の窓・保健室等の出入り口・照明や時計等を塞がないよう部分カットすることも可能です。
ツタネットの設置図 一例

常緑植物用誘因ネットとの違い
常緑のツタなどは成長が遅く、また特別な登はん資材(マットやワイヤーネット等)を壁面に取り付ける必要があります。当緑化の場合は、建物の上部とプランターとの間にロープやネットを張る手法ですので、大掛かりな工事は不要で、建物も傷めません。撤去も簡単ですので、シーズンが終わったら撤去し、建物を元の状態に戻すことができます。
窓の外だけでなく、強度や材質等の問題で補助資材を取り付けられないような壁面の緑化に、おすすめの手法です。
コンポスト

グリーンカーテンの植物ゴミを循環させて再利用しています。
秋のグリーンカーテン撤去後は、大量の植物残渣と連作障害防止のために取り換えた栽培用土が残ります。
数年前からそれらを循環させて再利用するため、多くの小学校にコンポストを設置させていただきました。
- ゴミとなった植物残渣を微生物の力で土に分解してもらいます。
- 翌年の春、土入れ替えの際に栽培用土として一部使用します。
- コンポストに土を残し、通年管理などで発生する植物ゴミをいれられるようにします。
- 他にもミミズコンポストなどにも取り組んでおります。



管理について

苗の植え付け後は、定期的に施肥や植物の生長促進作業、給水装置のメンテナンスなどの管理作業を行い、植物の生長を促します。
グリーンカーテンの植物に建物を覆ってもらうためには管理作業が必須です。
以下、小学校のグリーンカーテン事業で行っている作業です。
- 誘引(茎の伸びる方向を調整)
- 摘心(脇芽の促進)
- 摘果(養分の分配)
- 施肥(栄養補給)
- 設備点検(給水設備・ネットや屋上設備)※
頻度:通年週に1回 ※夏季は週に2回
台風後の点検など必要に応じて管理作業を行っています。
※弊社独自の自動給水装置を使用する場合は必ず設備管理が必要です。
お客様からのQ&A
弊社の設備を一部活用する方法などもご提案いたします。
緑被率を上げて効率的なグリーンカーテンをつくるには前述のような管理が必須になりますが、お客様の中には管理作業や水やり、収穫などをご自身で楽しみたいお客様も多く、様々なご相談を受けました。
Q:グリーンカーテンのツタネットとプランターの材料の搬入と設置のみしてもらい、通年管理は自分たちでやりたいです。
A:設置のみでも可能ですが、ネットが設置できる場所か一度現場確認が必要です。
Q:自動給水装置は自分で管理できますか。
A:弊社独自の自動給水器は弊社スタッフの管理が必要です。
管理がしやすい市販のタイマー式やソーラー式の潅水装置(電源もしくは乾電池使用)の設置も承っておりますのでご相談ください。
Q:自動給水装置をつけずにグリーンカーテンはできますか。
A:できます。ただ、プランターですと夏場は朝晩最低2回の水やりや施肥が必要になります。
地植えなどにすることで、水やりの手間を省くことも可能です。ただ、次年度の連作障害に注意が必要です。
Q:一軒家の住宅ですが、ツタネットはつけられますか。
A:現場を確認してからの判断になります。可能であれば予定設置場所などのお写真をお送り頂けると幸いです。
Q:おすすめの植物はありますか。
A:植栽種をゴーヤのみにした場合は、誘引などの作業はあまり必要なく、比較的簡単にグリーンカーテンを作ることができます。
Q:肥料はどんなものがいいですか。
A:有機的に育てたい場合は、元肥、追肥ともに油粕などを使用します。ただ効き目が緩やかなので、急な栄養不足(葉が黄色くなる)の際には化成肥料を推奨します。化成肥料は即効性があるのでいいのですが、効き目が強いので施肥のし過ぎに注意です。
グリーンカーテンのご紹介





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