屋上ビオトープとは?

様々な種類のビルや建築物が立ち並び、地面がコンクリートやアスファルトで舗装された都市部では、 かつて存在した緑地や水辺環境は失われ、 そこに生息していた地域性の濃い動植物の大部分も失われてしまいました。
また、開発による緑地の減少は、都市部に特有のヒートアイランド現象やその気温上昇に伴う 大気汚染等の環境問題の一因にもなっています。

屋上緑化のうち生物学的・生態学的な知見を組み込んで発展させ、 生物多様性の保全を目的とする動植物の生息空間、生物が来訪する空間を屋上ビオトープと呼んでいます。
屋上ビオトープの効果

人間活動の目線から見た効果
- ヒートアイランド現象の緩和
- 紫外線の遮断による施設の劣化防止
- 保水効果による防火・防災対策
- 植物の吸収による大気汚染の緩和
- 交通騒音の緩和
- 緑による景観の向上
- 居住者の憩いの場
自然保護や生態系保全の観点から見た効果
- 地域に生息する生物の休息・繁殖の場所
- 緑のネットワーク形成のためのステッピングストーン
- 自然と生態系の回復力の向上
屋上という砂漠に水辺のあるビオトープを創出する

都市部においてビオトープを創出することが出来る場所は、土壌のある地面の上だけではありません。建物の屋上にも様々なタイプの屋上ビオトープを設置することが可能です。
しかしながら、屋上という環境はある時は雨風に晒され、あるときは強烈な直射日光に晒されて猛烈に温度の高い乾燥した砂漠のような状態になります。
したがって、動植物相の豊富なビオトープを創出するには、 命の源である水の制御や土壌の流出を防止する技術が必要になります。
同時に既製の建物の積載荷重制限を越えないよう、軽量化する技術も必要になります。
弊社はこれらの様々な課題をクリアしながら、自然環境に配慮しつつ、雨水と太陽光発電を利用した 水生植物の豊富な池や湿地を再現した「水辺」を基本とした屋上ビオトープを創出することを得意としております。
屋上ビオトープの設備

使用する木材
木道や観察デッキ、ベンチなどで使用する木材は防腐(ACQ)注入済みの国産杉です。ACQとは ヒ素やクロム化合物を含まない、JISおよびJAS規格の安全な防腐・防虫剤です。
主に枕木を使用しています。

木枠の見切り材
上記の枕木を木枠(見切り材)として設置し、土壌の流出を防ぎます。
木材を使用しているので自然の温かみがあります。

観察デッキ
観察デッキは池の水際に設置します。
水際の保護、池の観察の他に、夏場の日陰効果、給水口やストレーナーの目隠しなどのメリットがあります。

ソーラーパネル
ポンプを動かす動力として使用します。

看板
ビオトープのルールやお知らせなどが掲示できます。

循環ポンプ・ポンプピット
循環ポンプは、流れなどを作る際に使用します。
ポンプの吸い込み口からごみなどが入らないように、ポンプピットに入れます。
ポンプピットはポンプの大きさ(ビオトープの規模)に応じてご用意します。
メンテナンス:年1~4回程度

自動給水装置
水位が減ると自動で給水する仕組みです。
近くの水栓から分枝して引水します。
自動給水装置から少し離れた吐水口からの給水も可能です。
給水装置の大きさはビオトープの規模に応じてご対応いたします。

オーバーフロー管
大雨などで水位が上がった際に、ビオトープから水があふれないようにするため、一定の高さで排水される管です。
メンテナンス:年1~4回程度(ゴミ詰まりに注意)

防水シート
水を溜めるために必要不可欠な設備です。
ビオトープ池の形に合わせてシートを切り貼りし施工します。わずかな隙間から漏水してしまうため、シート施工後は防水試験などで念入りに確認します。
※広く知られているベントナイトシートは河川などの大きな水辺に適しており、小さなビオトープには適しません。

その他
そのほか、そのビオトープに合った設備あればご提案いたします。
屋上ビオトープのご紹介





詳しくは施工事例一覧をご覧ください。
※掲載している中で、改築工事などで現存していないビオトープもございます。ご了承ください。
屋上菜園緑化
屋上の省スペースでつくる菜園です。
タイマー式の自動散水装置を設置します。
詳しくは「屋上菜園について」をご覧ください。
屋上緑化雨水池

屋上雨水池とは
弊社がご提案する雨水貯留機能及び自動調水機能付のシンプルな雨水池のことです。
※屋上ビオトープにも、この雨水池の仕組みを応用して取り入れています。

- 浅い水域(水深10㎝程)を造るだけなので、施工が簡単で、軽重量です。
- 通常、土壌などを使用しないので安価な施工が可能です。
- 雨水池に降った雨は水位の上昇で越流し、水はタンクに貯められます。
池の水位が下がるとその水が自動給水されます。 - 水生植物や藻類は日本産で、夏期に増殖する種を導入します。
- メンテナンスは植物や藻類が繁茂しすぎたら除去するだけです。
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